━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ MOON LIGHT EXPRESS Electrofile ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル . * ・* [FILE: 000005] 1999,11,22 ★━━━━……‥‥ http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/ " *  . * tukikage@mqj.biglobe.ne.jp + . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ このメールは購読登録された方に毎月一度送付させていただいてます。 ※ このメールは固定ピッチフォントで最適にご覧いただけます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 当サイトからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メーリングリスト登録者募集中! 当サイトでは、メーリングリスト(ML)を開設しています。MLとは、電子メールを 使用してインターネット上に擬似的な電子会議室を実現するものです。また、この MLは、当サイトWeb掲示板と連動しています。Web掲示板へ投稿された記事も、MLへ 同時に配信されますので、MLへ登録しておけば、Web掲示板のログもメーラで管理 でき、一挙両得です!参加登録は、次のアドレスで随時受け付け中!! ML参加・お問い合わせ mlexp-adm@y7.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 尚、このMLの詳しい内容はメールにて取り出せます。本文一行目に、 # guide と だけ書いたメールを、次のアドレスまで送付してください。 ※ サブジェクトは無視されますので何でも構いません。 MLコマンド受付 mlexp-ctl@y7.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ▼ ML参加者の方へ ★MLへ投稿される際、次の点にご留意ください。 1. 半角(1byte)カナは文字化けの原因となるので使用しないでください。 2. HTML(XML)形式での送信は控えてください。 3. 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II 11月27日(土) 21:00〜 (TBS系) 人間を解剖学的観点から捉え、科学的にその本質に迫ろうという特番。構想2年、 放送3時間の大型番組。解説に唯脳論で有名な養老孟司氏を迎え、人間の脳を進化 や生理学的に考える。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 《 ところで... 》 この日、11月27日の夜9時というのは、実は、NHK の「宇宙デジタル図鑑」の放送 と重なります。両者とも見る場合、どちらかをビデオ録画するか、もしくは「宇宙 デジタル図鑑」の方は、翌日11月28日の午後2時から再放送が予定されているので 27日はTBS、28日にNHKをご覧になる、という手もあります。 ‥‥以上、余談でした。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 掘り出し図書特選 〜 読書の秋特集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 相対論 対 量子論 〜 徹底討論・根本的な世界観の違い 著者:メンデル・サックス(訳=原田 稔) 出版:講談社(ブルーバックス) 価格:820円+税 未だに統合されない物理の二大理論。背後に潜む世界観の違いと考え方の本質を浮 き彫りにする白熱の科学対話。 【 紹介:MLEXP. 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 脳と心をあやつる物質 編者:生田 哲 出版:講談社(ブルーバックス) 価格:800円+税 頭の冴えるときとボケるとき、脳ではどんな物質がはたらいているのか?大脳生理 学でみる脳と心の“薬”と“毒”。 【 紹介:MLEXP. 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 科学101の未解決問題 〜 まだ誰も答えを知らない 編者:ジェームス・トレフィル(訳=美宅成樹) 出版:講談社(ブルーバックス) 価格:1,500円+税 なぜ老いるのか?意識とは何か?量子消去現象とは?宇宙はどのようにして終わる のか?物理学、宇宙論、生物学、医学、進化‥‥ あらゆる分野でいま最もホット な話題が何なのか、たちどころに見渡せる待望の一冊。 【 紹介:MLEXP. 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ ノーベル賞受賞者のアタマの中 〜 物質・生命・意識研究まで 編者:青野由利(毎日新聞科学環境部) 出版:築地書館 価格:1,800円+税 世界をリードする科学者へのインタビューをまじえ、科学ジャーナリストが難しい 理論を通俗的なやさしい言葉で執筆。サッパリ分からないとその理論を放棄する前 にこの一冊を手にしてみよう。 【 紹介:MLEXP. 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 最新宇宙論と天文学を楽しむ本 〜 太陽系の謎からインフレーション理論まで 監修:佐藤勝彦 出版:PHP研究所 価格:476円+税 ISBN:4-569-57299-5 地球や太陽系の素朴な疑問から、科学的宇宙研究の最前線までを、一般人にもわか りやすい文章で解説。理論のポイントが一目でわかる図解入りなので、難しい宇宙 論も読み物として親しめる。 【 紹介:MLEXP. 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ 推薦図書をご紹介ください!! このスペースでは、毎月皆さんがお勧めする図書を紹介していきたいと思います。 皆さんが読んだ中で、これは良い!と思ったもの、また、まだ読んでないけど気に なる本などをご紹介ください。当サイトのテーマに則していれば、解説書のような 読み物でもSF小説でもジャンルは問いません。また、新刊でなくとも構いません。 情報募集アドレスはこちら tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 今月のお勧めサイト ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ ゲノム・サイエンス URL: http://www.genome.ad.jp/Japanese/HGP/P9705/gs_index.html 昨今話題になっている「ヒトゲノム」という言葉。人なら誰しも持つというのだが 一体その「ゲノム」とは何なのか?このサイトで、ゲノムという言葉の意味から、 現在世界で進められている「ヒトゲノム解析プロジェクト」などについて見ること ができる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ NASDA 宇宙情報センター URL: http://spaceboy.nasda.go.jp/Index_j.html ビジュアルに、そしてわかりやすい解説で、宇宙に関する知識や宇宙開発の技術な どについて触れることができる。宇宙に関連して、様々な日常科学分野の解説も多 数あるので、検索機能などを活用して利用すべし。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ 特選サイト募集!! このスペースでは、毎月皆さんのお勧めサイトをご紹介していきます。皆さんが、 ここぞ!と思うサイトをどしどしお知らせください。その際、簡単な紹介文も添え ていただけると幸いです。 情報募集アドレスはこちら tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ コスモスコープ 11月版 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ H2打ち上げ失敗《1999/11/16》 宇宙開発事業団は15日16時29分、種子島宇宙センターから、国産大型ロケット「H 2」8号機を打ち上げたが、第一ロケットの燃焼が予定より早く止まるなど制御不 能となり、打ち上げから約8分後、地上からロケットを爆破する指令電波を送信し 打ち上げは失敗に終わった(日本のロケット打ち上げにおいて爆破指令が送信され たのは今回が初めて)。8号機に搭載されていた運輸多目的衛星「MTSAT」ととも に約343億円が海の藻屑と消えた。 今回の失敗の原因は、打ち上げの約4分後に第一段ロケットの「LE7」エンジン の燃焼停止によるもの、と見られている。これにより、第一段ロケットの切り離し と第二段エンジンの点火が予定よりも早く連続して起こり高度を下げ始める。その 後、ロケットからの信号を受信できなくなり、ロケット落下による地上への被害を 避けるために、打ち上げから7分41秒後、高度約41kmで小笠原追跡所から爆破の指 令電波を送信し、その後、ロケットは小笠原諸島の北西沖150kmの海上に落下した と見られている。 【 なぜ失敗? 】 8号機の第一段ロケットに使用されていた「LE7」エンジン。このエンジンは、 液体水素と液体酸素を混合して燃焼させ約110トンの推力を生み出すH2ロケット の主エンジンである。性能を上げるために、主燃焼室(最下部にあるスカート状の 部分)で燃焼させる前に予備燃料室で液体水素を不完全燃焼させ、その高圧水素を 利用することによって液体燃料を主燃焼室へ送り出すターボポンプを回転させると いう複雑な構造になっている。今回、この予備燃焼室からターボポンプへ燃焼ガス を送り込む配管などに裂け目が生じ、液体燃料が漏れだした可能性が高いと考えら れている。 「LE7」の方式は、米スペースシャトルにも採用されている仕組みで、H2ロケ ットでも実績があるエンジンであった。そのため、今回の打ち上げでも「LE7」 に関しては殆どノーチェックだったことが指摘されている。絶対の信頼をおいてい たエンジンでのトラブルだっただけに関係者のショックも大きい。今回のトラブル は、将来のロケット開発の致命傷となり得るだけに完全解明が急がれる。 【 今回の失敗の影響 】 今回の打ち上げ失敗により、気象衛星「ひまわり5号」の後継機として、また航空 管制も担う運輸衛星として稼働が予定されていた多目的衛星「MTSAT」も失わ れた。H2、MTSATの開発費込みで総額約343億円の損失。これはかなりの痛 手であることは確かだ。現行の「ひまわり5号」も、設計寿命が来年の3月までと いうことであったが、今回の失敗でもう少々頑張ってもらわねばならなくなった。 設計寿命きっかりで壊れるということはないが、それでも期限切れのものを使うと なれば、ある程度のトラブルも覚悟せねばならないことになる。 度重なる失敗で、H2ロケットの廉価版「H2A」によるロケット打ち上げ市場へ の参入計画も厳しい状況となった。H2開発以前までの宇宙開発事業団によるロケ ット打ち上げは失敗無し、100%の成功を誇っていたが、純国産開発の壁がここに きて立ち塞がった形だ。しかし、どんな事業、開発にも失敗はつきもので、そこか ら得られるものもある。最近の開発で続いているトラブルの原因は何か?その根本 の究明がまず優先されるべきで、それが次回の成功へも繋がってくるのだろう。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ 宇宙空間を再現する最新工場《1999/11/11》 三菱電機は、神奈川県鎌倉市にある三菱電機鎌倉製作所で「スペースチェンバー」 と呼ばれる宇宙空間試験場を公開した。直径11.5m の球形で、零下150度の低温や 真空状態などの宇宙空間と同等の状況を再現できるという。この試験場には5トン 級以上の大型衛星まで収容可能で、これは国内メーカーでは最大規模だ。 大型衛星の試験ができるのは、これまで茨城県にある宇宙開発事業団の施設に限ら れており、メーカーはこの順番待ちをして施設を借用する形だった。商用衛星市場 への本格参入を図る三菱電機は8月、設計から組み立て試験が一貫してできるこの 施設を約70億円をかけて完成させた。 衛星市場は、大型衛星、軍事衛星のノウハウを持つ欧米諸国の企業が圧倒的な競争 力を持つ。技術試験衛星中心だった国内メーカーとは物量的にもかなり差があるの が現状だ。しかし、商用衛星は、マルチメディアの発達や携帯情報端末の開発など を背景に、今後その需要が高まると予想される。三菱は、2003年をめどにこの市場 へ10%のシェア確保に向けて開発を行っていく方針だ。 【 国内の宇宙開発 】 H2ロケット、これは、全体の開発を三菱重工が行い、一段、二段ロケットの開発 は三菱重工と石川島播磨重工、固体燃料の補助ロケットは日産自動車、衛星の格納 装置などを川崎重工が行うという“純国産”のロケットだ。最近不振が続いている が、これは開発の不可抗力と考えて良いだろう。 ロケット同様、人工衛星の産業でも、海外市場参入を見越した開発が行われていか なければ、日本の宇宙開発事業はずっと振るわないままで終わる。といっても、今 ここでいきなり海外の市場に出て対等にやり合えるかといえば疑問だ。欧米と同じ 土俵で争っても勝ち目はない、というのは関係者の本音。ということで、他のメー カーは三菱とは別の道を模索している。東芝は、仏アルカテル社主導ので80の衛星 を打ち上げるという「スカイブリッジ計画」に出資し、海外企業との連携で市場へ の本格参入を狙う。また、NECは、衛星の心臓部といわれるトランスポンダ(電 波の中継増幅器)や衛星の姿勢を制御する地球センサーといった衛星部品を海外メ ーカーに納入するなどして市場へ関わっていく目論見だ。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ アンドロメダ星雲に63のブラックホール《1999/11/11》 宇宙のブラックホールを研究している東北大学大学院理学研究科の大家寛教授らの 研究グループは10日、地球から230万光年離れたアンドロメダ星雲(我々の銀河系 から最も近い銀河)の中心部に、巨大ブラックホールを63個まで確認したと発表。 総質量は太陽の約1億5000万倍という。同グループは今年7月、銀河系中心部に24個 のブラックホールがあると発表したが、それと同様、宇宙から届く電波を解析する ことで今回の結果を得た。教授によると、これまで同星雲中心部のブラックホール は一個で、質量は太陽の7000万〜1億倍とされていたが、過去の観測は複数のブラ ックホールを一つとして計算していた可能性が高い、という。今後は長距離干渉計 網の観測データも加えてブラックホールの正確な位置を決めていく方向。 【 銀河の中心にブラックホール? 】 ブラックホールは、電波の重力赤方変移によって観測することができる。重力赤方 変移とは、強い重力の下では時間がゆっくり進むことから起こる一般相対論効果の 一つで、光(電波)の波長が長くなる現象である。この効果が確認される、という ことイコール「ブラックホールの存在」と結論しても良い、とされている。 最近の観測では、大部分の銀河の中心に、この重力赤方変移が認められている。と いうことは、銀河の中心にはブラックホールが存在している、ということである。 1997年、ハッブル宇宙望遠鏡によって「クェーサー」という天体が銀河の中心部に 存在していることが突き止められた。クェーサーとは、銀河の大きさの一万分の一 の大きさでありながら、銀河100個分相当以上のエネルギーを放っている「謎の天 体」だ。1962年に初めてこのクェーサーが発見されて以来、その膨大なエネルギー の根源をめぐって様々な理論が提唱された。最終的に、現在までそれらしいとして 生き残っているのが「巨大ブラックホール説」である。 つまり、銀河の中心にあるクェーサーはブラックホールである、とすれば、多くの 銀河の中心にはブラックホールが存在する、という理屈とも折り合う。ただ、全て の銀河の中心にクェーサーがあるわけではない。巨大ブラックホールと、そこに落 ち込むガス円盤でモデル化できる銀河の中心核(活動銀河中心核)を持つ銀河と、 そうでない銀河が存在し、クェーサーのある銀河は、活動銀河中心核を持つ銀河の 一種であるとされている。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ クローン人間法で禁止《1999/11/18》 同一の遺伝子を持つクローン人間の作製について、国の科学技術会議の生命倫理委 員会クローン小委員会は17日「法律により強制力を伴った形で帰省するのが妥当」 との結論をまとめた。近く開催する生命倫理委員会に最終報告書を提出する。これ を受けて科学技術庁は罰則の内容などを関係省庁とも協議し、来年の通常国会まで に法案を準備する。生命科学関連の研究に法の網がかかるのはこれが初めてだ。 このクローン問題は、1996年、英国で哺乳類としては初めてのクローン羊が誕生し たことに端を発する。この技術が人間にも応用されるのではないか、という不安は 年々増大している。英国やドイツなどの多くの先進国は法律でこれを禁止したが、 米国に関しては、この法律化に関してまだ決着していない。今回、日本はヨーロッ パ諸国に続く形で法律による規制の道を選んだ形となった。 ただ、今後の技術の進展を考慮し、国民の意識や規制の手法も変わりうるとして、 三〜五年後に見直しの機会を設けることが適切としている。また、クローン人間作 製と同様の技術を使って胚を作ったり、体の様々な部位に育つ万能細胞(ES細胞) を培養したりする技術については、今後医療面などで有用性が出てくる可能性があ るため結論を避け、引き続き委員会で検討していくことになった。 【 クローン技術の是非 】 生命の設計図といわれる遺伝子「DNA」、今や高校生が理科の実験で簡単にいじ ることができるまでになっている。この設計図をコピーして、オリジナルと全く同 じ生物を作りだす技術を「クローン技術」と呼ぶ。実際、自然に全く同じ遺伝性質 を持った生命が産まれることはある。「一卵性双生児」などはそれだ。ここで問題 となっているのは、人の手で意図的にクローンを作り出す、という点にある。 今回法律で禁止することになったのは、人間の体の細胞核を、あらかじめ細胞核を 除いた未受精の卵子に移植して胚を作った上で、それを一個の人間となるまで育て ること。倫理的な問題の前に、これをすることの有用性が認められない為に、法律 で禁止しても問題ないのではないか、と判断されたという背景がある。ということ は、同じ個体を作ることに有用性が出てくれば、今後クローン人間作製も認められ るようになるかもしれない、ということだ。 実際、人間が生命をどこまで操作して良いか、という問題に対する答えは、人間が 自身で出すことはできない。あくまで良心の問題であり、これは時代によって価値 観や思想が変化することで、その倫理的是非も変わってくる。試験管ベビーも今や 日常的手段となりつつある中、今頃生命科学の研究に規制を作ることは時代遅れ、 と見る向きもある。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 今月のコラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今やコンピュータ全盛期、主婦が家計簿をつけたり、女子高生が電子メールを交換 したりと、ビジネスだけでなく家庭にも広く浸透している。うちの母親もつい最近 表計算のソフトを使ったパートの仕事を始めた。一番縁のないと思っていた人まで もそれを使う時代‥‥。新聞に次のような言葉があった。 「ヒトは体の外に脳を持つようになった」 この電脳社会の基礎を作ったのは、実は、核兵器開発だった。戦時中、米ロスアラ モス研究所では、各分野のプロフェッショナルが集められ核兵器開発が行われてい た。爆弾の設計段階で、核物質を最も効率良く爆発させるための圧縮火薬の配置、 爆弾の規模と破壊力の程度、爆発の高度とそのときの効果、などの計算を行わなけ ればならなかったが、それらは人の頭でやるにはあまりに膨大な計算量だった。そ こで機械による計算をするわけだが、当時の計算機というのは電気機械式で、スイ ッチのオンオフをリレーでカチカチと切り替えていたという。この処理速度という のはあまりに遅く、もっと効率の良い計算機の開発が望まれていた。そこで、この オンオフの切り替えを真空管で電子的に行う「コンピュータ」が考案された。 現在、多くのコンピュータに採用されている方式は「ノイマン型」というものであ る。この大きな特徴は「プログラム内蔵方式」だ。私たちの使っているパソコンは ソフトをインストールすればそのまま使える。しかし、登場当時のコンピュータは 使用目的が変わる度に配線を繋ぎ変えなくてはならず、準備に数日かかるというこ とも珍しくなかった。フォン・ノイマンがこの形式を考案した背景にも、水爆開発 があった。 文明は戦争と共にあり。これは人類発祥以来、ずっと続いている伝統であるともい える。そもそも、今現在地球上に君臨している生物というのは、それ以外の存在を 足蹴にしてのし上がった子孫なのだ。おそらく、その中で一番大きな顔をしている 人間は、地球上で最も野蛮な生物である、ということもできるだろう。 オッペンハイマーやアインシュタインなど、核開発に関わった科学者の多くは、そ れを作ってしまったことを生涯悔やんだという。しかし、ノイマンは違った。彼の 日本への核攻撃を考える際のメモに、京都に落とすことは心理的効果あり、と記さ れていたそうだ。戦後も、ソ連への先制核攻撃さえ考えていたという。ロスアラモ ス研究所の同僚ベーテ博士は、ノイマンのことを「彼は倫理ということを理解して いなかった」という。しかし、良い悪いは別にして、もしそうした攻撃的な精神が なければ、今の人類はなかった、ともいえる。 (1999/11/21 管理人 月影) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 【 お知らせ 】 今月の『投稿ノベルズ』は、投稿がなかった為お休みさせていただきます。投稿が なければ私が書けば良い話ですが、今そんな余裕もなくご容赦ください(汗)。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルは、「まぐまぐ」を利用して配信 されています。メール配信先の変更、また配信の中止は、「まぐまぐ」のサイト、 及び、ムーンライトエクスプレスWebサイトにてできます。《 ID:0000016842 》 http://www.mag2.com/ http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/info/mm.htm ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルに対する、ご意見、ご感想などは 随時受け付けております。また、記事の内容に誤りなどありましたら、ご遠慮なく どんどんご指摘ください。皆さんのご意見をお待ちしています。 ご意見,ご質問受付 tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 発行/編集: ムーンライトエクスプレス Web URL: http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/ E-Mail : tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━