━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  MOON LIGHT EXPRESS Electrofile  ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル . * ・*  [FILE: 000026] 2001,08,27 ★━━━━……‥‥  http://www.mlexp.com/ " *  . *  electrofile@mlexp.com + . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《総発行部数 3,923部(先月発行時点)》 ※ このメールは毎月一度送付させていただいてます。 ※ このメールは固定ピッチフォントで最適にご覧いただけます。 ■INDEX ▼掘り出し図書特選  ○科学は不確かだ!  ○図解雑学 時間論  ○脳+心+遺伝子 vs. サムシンググレート ▼コスモスコープ  ○昔は光速は遅かった!? ▼お知らせ  ○あなたもSETIやってみませんか?  ○メーリングリスト登録者募集中!  ○登録解除/アドレス変更について  ○投稿作品募集  ○ご意見、ご感想募集 ▼コラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  掘り出し図書特選 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 科学は不確かだ! 著者:R・P・ファインマン/大貫昌子=訳 出版:岩波書店 価格:1,600円+税 ISBN:4-00-005185-7 ▼ 目次 科学の不確かさ/価値の不確かさ/この非科学的時代 ▼ 内容紹介 科学的であれば全て正しい。そのような一種の神話が世の中で公然と認められてい る。実は、科学は不確かなものであって、不確かさこそが科学の意義を高めている という、一見矛盾とも思える主張が本書の内容。科学が時代を追って高度なもの、 より確からしいものに進歩しているのは、そもそもそれが不確かなものであるから である、という。また、その科学の存在意義、人間の科学に対する認識などを見直 すさまざまな講義も“目から鱗”だ。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 図解雑学 時間論 著者:二間瀬敏史 出版:ナツメ社 価格:1,200円+税 ISBN:4-8163-3055-0 ▼ 目次 時間とは何だろう/時間はなぜ流れるのか/時間の流れ方(1) 〜運動と時間〜/時 間の流れ方(2) 〜重力と時間〜/宇宙と時間/時間の最前線 ▼ 内容紹介 ベストセラーの図解雑学シリーズから、時間そのものに言及する一冊が登場。様々 な物理法則に時間というパラメータが登場するが、そもそも、時間とは何なのか。 かつて、時間は絶対的に過去から未来へ一定の速さで流れているものと信じられて いたが、アインシュタインの相対性理論の登場以来、それが伸びたり縮んだり、場 所や状態によっては、その流れる速さも変わるものだということが分かってきた。 その時間という概念について今の理論ではどのように解釈されているのか、また、 時間にはどのような謎があるのか、図解雑学お馴染みの手法で分かりやすく手解き されている。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 脳+心+遺伝子 vs. サムシンググレート   ミレニアムサイエンス 人間とは何か―― 著者:養老孟司/村上一雄/茂木健一郎/竹内薫 出版:徳間書店 価格:1,600円+税 ISBN:4-19-861156-4 ▼ 目次 ミレニアムサイエンス 人間とは何か/ナイトサイエンスの世界へようこそ 本当 の「私」をつかまえる未来への旅/科学+哲学+文学 脳のクオリアと志向性です べてが語れるじゃないか/多様性のサイエンス 脳+自然+都市の論理 ▼ 内容紹介 養老孟司氏を中心としたシンポジウムの内容と、それに参加した各氏のインタビュ ー記録をまとめたもの。内容は、現在の科学でホットトピックとなっている脳や心、 また遺伝子、さらにまだ科学の舞台に上がっていない何か、そのようなことに関す るもの。養老氏は解剖学者、村上氏は分子生物学者、茂木氏は脳科学者、そして聞 き手役の竹内氏も物理学博士である。そのような各氏が、それぞれの分野の最前線 について論じ、現在の課題や大胆な仮説を展開する。また、現在や今後の科学の現 場のあり方についても、それぞれの見地から“本音”で言及されていて興味深い。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ 皆さんのお勧め書籍を紹介してください この本は皆にも読んで欲しい、そんな本を是非紹介してください。内容は、宇宙、 科学一般に関する専門書、解説書、読み物などです。その新旧は問いません。 紹介していただける場合、上記フォーマットの項目を分かる範囲で書き添えていた だき、見所など簡単な内容紹介も(できれば)お願いします。また、あなたの名前 も書いていただければ、紹介者名として掲載致します。 宛先はこちら electrofile@mlexp.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  コスモスコープ 2001年8月版 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 昔は光速は遅かった!? 《2001/08/16》 ニューサウスウエールズ大学(オーストラリア)のジョン・ウエブ教授らは、宇宙 誕生時から現在までの間に、微細構造定数と呼ばれる物理定数がわずかだが大きく なっている(昔の方が小さかった)可能性があると、米科学会誌「フィジカル・レ ビュー・レター(PhysicalReview Letters)」に発表した。 ウエブ教授らは、ハワイのマウナケアにあるケック望遠鏡で、地球から120億光年 先にある17個のクエーサを観測した。クエーサとは、宇宙の遠方にあって非常に強 力なエネルギーを放出している天体のこと。その光の吸収スペクトル(地球に到達 する過程で途中の物質に吸収される波長の光)を調べたところ、その電磁気力の大 きさを表す微細構造定数の値が、より遠くからの光ほどその値が小さくなっている ことが分かったという。これは、微細構造定数が、宇宙誕生以来大きくなってきて いる証拠だといえる。 微細構造定数(α=1/137.036)は、電磁相互作用の強さを示す普遍的な定数として 扱われており、これによって原子の微細構造が特徴付けられる。もしこの値が一定 でないとすると、そのαの値を決めている光の速さ(c)、プランク定数(h_bar)、電 気素量(e)などの物理定数が一定でない可能性が出てくる。特に、光速 c について は、これまで、アインシュタインの相対性理論の中で一定であると決められており、 さまざまな物理理論の中で光速c は変化しない値として扱われてきた。しかし、α の値が小さかったということは、c も小さかった可能性があるということになる。 ただ、こうした普遍定数が一定でない可能性について「超ひも理論」の立場からは、 むしろその仮説を後押しするものだとする物理学者もいる。10次元などの多次元空 間を前提に宇宙誕生を説明する超ひも理論では、光速などの定数が一定でない方が 四次元以上の宇宙の構造を説明しやすくなるのだという。  関連サイト:  http://prl.aps.org/ (Physical Review Letters 英語サイト) 【 普遍定数が普遍でないと「超ひも理論」が正しいのか? 】 さて、「超ひも理論」とは何だろうか?名前だけ聞くと、何だか怠け者の究極理論 なように聞こえるが、そういう意味ではない。レッキとした物理学の仮説の一つで ある。簡単にいうと、この宇宙の構造の単位は微細な「ひも」である、という話。 従来の物理学では、物質の基本単位はクォークやレプトンなどの素粒子である、と されていて、それら素粒子同士の相互作用も、ゲージ粒子と呼ばれる力を媒介する 粒子によるもの、と説明されている。要するに、この宇宙の基本構造は粒々の粒子 だ、というのが物理学のスタンダードであったわけだ。 ところが、超ひも理論では、その単位は「つぶ」ではなく「ひも」だという。 うーん、ワケがわからない。一体どうやって「ひも」で今までの力学が説明できる のか。素粒子は実際にいろいろな種類のものが発見されているだろう。素粒子同士 の相互作用などはどう説明するのか。 超ひも理論では、実は、それらは私たちに“そう見えているだけ”と説明される。 様々な種類の素粒子も、ひもの振動の仕方が違うことで別々の素粒子に見えている のだという。それは、ギターなどの弦の振動数が変わることで、音が高くなったり 低くなったりするのと同じこと。相互作用も、ひもの繋がり方や絡まり方によって 様々な形で力が働いているように見える、というのだ。 さらに、超ひも理論は、この宇宙はそもそも10次元である、という予言をしている (最初は26次元である、という仮説もあった)。私たちが認識する時空は、三次元 の立体空間に時間軸を加えた四次元の世界である。では、あとの六次元はどこへ行 ったのか、となる。実は、それらの次元は私たちには見えないだけであるという。 例えば、立体的なチューブ構造(ホースみたいなもの)でも、それを遠方から眺め ると、一本の線に見える。つまり、実際は三次元構造なのだが、見た目は一次元に 見える、ということである。同様に、この宇宙も、実際は10次元なのだが、エネル ギーが低い状態(今の状態)では四次元に見える、残り六次元は小さくなって見え ない、ということだ。これを「コンパクト化」などという。 実は、そのコンパクト化された(私たちに見えない)次元の状態の違いが、私たち に見える四次元世界の量子数の違いとして現われてくるのだという。つまり、超ひ も理論の仮説が正しいとするなら、私たちが認識している普遍定数は普遍ではなく、 コンパクト化された世界の状態によって変化する可能性がある、ということだ。 微細構造定数は、α=(e^2)/(4π*(ε_0)*(h_bar)*c) と表現される(とにかく、光 の速さc 、電気素量e 、プランク定数h_bar などの普遍定数の組み合わせから成っ ている、ということ)。もし、このαが変化しているとなれば、それに絡むc やe といった普遍定数のいずれかが変化しているということになり、結果的に「超ひも 理論」が正しい可能性を示していることになる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ あなたもSETIやってみませんか? 自分のパソコンを使って地球外生命の存在を探査しよう、という世界的に大人気の プロジェクトがSETI@home(セチ・アット・ホーム)です。世界中の数百万という パソコンがネットワーク上で稼動しているとてつもない規模の分散コンピューティ ングシステムでもあります。 SETI@homeもこの5月で3年目を迎えることになります。実は当初は2年間の限定 プロジェクトでしたが、その規模の広がりから世間でも注目される存在となり、さ まざまな支援やメディアでの紹介も受けて期間の延長が決まりました。これからも ますますの発展を続けていくことでしょう。 そんなSETI@homeへの参加方法ですが、いたって簡単です。クライアントソフト (スクリーンセーバソフト)をダウンロードしてインストールするだけです。あと はスクリーンセーバとしてあなたのパソコンの使われていない時間のうちにそっと データ解析を行ってくれます。 そしてデータ解析が終わったところでちょっとだけインタネットにつなぎます。あ なたの解析結果のアップロードと、次の解析データのダウンロードを行います(3 〜5分ほど)。 パソコンの使われていない時間を利用するなんて素敵な発想ですね。しかもそのセ ーバ画面ではとてもカラフルなデータ解析画面を表示しています。この画面の中に 宇宙からのメッセージがあるかもしれない、と思うとついつい見とれてしまいそう です。 地球外生命の探査は学術的にも意味のある活動です。ぜひともSETI@homeに参加し てみてください。また、当ムーンライトエクスプレスではSETI@homeのチームを作 成しています。よろしければ当チームにも参加してみてください。 SETI@homeの参加方法、そしてチームへの登録は以下のページに説明を載せていま す(トップページから [ SETI@home ] をクリック!)。  http://www.mlexp.com/information/seti.htm ★ ワンポイント クライアントソフトはプロジェクト規模の拡大に合わせて機能を拡張しています。 古いバージョンのクライアントソフトを使い続けていると解析データのアップロー ド時にバージョンアップを促すメッセージが表示されることがあります。そんなと きは最新のクライアントソフトにバージョンアップしてください。                                    ☆ +                           チーム管理人:mojio …                            seti@mlexp.com + ☆ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ メーリングリスト登録者募集中! 当サイトでは、メーリングリスト(ML)を開設しています。MLとは電子メール を使用してインターネット上に擬似的な電子会議室を実現するものです。宇宙のこ とや科学、哲学全般について気軽に語り合ってみませんか? 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CDまで(しかも落語の)売ってある!!(お)  −「千と千尋の神隠し」は泣ける映画だろうか?(月) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  発 行 : ムーンライトエクスプレス  編 集 : ムーンライトエクスプレス編集室 WebURL : http://www.mlexp.com/ E-Mail : admin@mlexp.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━