★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ . * ・* MOON LIGHT EXPRESS Electrofile [FILE: 000029] ☆━━━━……‥‥ ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル " *  . * 《総発行部数 4,105部(前号発行時点)》 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ ●このメールマガジンの登録変更/解除はこちらから → http://www.mlexp.com/mm/regist.htm ◆INDEX◆ ▼特選図書 ○エレガントな宇宙 ○意識する心 ▼コスモスコープ ○物質が足りない ○宇宙は何色? ○日本も有人宇宙飛行へ ▼ピックアップ ○H-IIA ロケット打ち上げ中継 ▼お知らせ ○あなたもSETIやってみませんか? ○メーリングリスト参加者募集中! ○投稿作品募集 ▼コラム ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CHOISE BOOKS ━……‥‥ 特選図書 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ ◆ エレガントな宇宙 超ひも理論がすべてを解明する 著者:ブライアン・グリーン(訳=林一/林大) 出版:草思社 価格:2,200円+税 ISBN:4-7942-1109-0 ▼ 目次 私たちはどこまで知っているのか/相対性理論vs量子力学/ひも理論はすべてを説 明し尽くすか/超ひも理論と時空/統一にむけて ▼ 内容紹介 本書は「超ひも理論」の研究者によって著されており、全体として宇宙を超ひも理 論で読み解こうという方向で展開している。物理学の最大の矛盾ともいえる相対性 理論と量子力学の並立。この橋渡しをする理論として注目されているのが「超ひも 理論」である。本書では、今までの物理学で全てが説明できなかった宇宙を、超ひ も理論では解き明かすことができるとしている。超ひも理論の次のステップ「M理 論」にも言及し、宇宙論に新しい風を吹き込む。【紹介:MLEXP.】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 意識する心 脳と精神の根本理論を求めて 著者:デヴィッド・J・チャ―マーズ(訳=林一) 出版:白揚社 価格:4,800円+税 ISBN:4-8269-0106-2 ▼ 目次 心の二つの概念/付随性と説明づけ/意識は還元によって説明できるか/自然主義 的な二元論/現象判断のパラドックス/意識と認知のコヒーレンス/不在のクオリ ア、ぼやけていくクオリア、そして跳ね踊るクオリア/意識と情報−ある考察/強 い人工知能/量子力学の解釈 ▼ 内容紹介 科学が最も苦手とする分野「心」の問題に、あえて科学的視点から切り込む。人は どういうメカニズムで感じ、意識するのか。物理的である脳が抽象的な心を生み出 すのは何故か。あらゆる独特の感覚「クオリア」はどこからやってくるのか。これ らの心脳問題の解明に向けた鋭い考察の数々。【紹介:MLEXP.】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ このコーナーに本を紹介してください! あなたのお薦め本を紹介してください。内容は、宇宙、科学一般に関する専門書、 解説書、読み物などです。詳しくはこちら → http://mlexp.com/mm/books.htm 紹介先はこちら electrofile@mlexp.com ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ COSMO SCOPE ━……‥‥ コスモスコープ 2002年 01月版 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ ◆ 物質が足りない 《2002/01/10》 NRAO(アメリカ国立電波天文台)は、その研究者グループの観測によって私たちの 銀河系内のヘリウム3の量を調べビッグバンで作られた物質の量を算出したところ、 その量は観測されている重力を生み出すには不足していることが確認された。 宇宙の初期にどのくらいの物質が存在していたかということは、当時に生成された 元素が現在どのくらい存在するかを調べることでおよそ分かる。ビッグバン直後に は水素やヘリウムといった構造の簡単な元素が生成されたと考えられており、今回 の調査では宇宙に一定割合で存在しているというヘリウム3の量が調べられた。  NRAO(アメリカ国立電波天文台) http://www.aoc.nrao.edu/pr/he3.html 【 宇宙の物質が足りないと‥‥ 】 宇宙の物質不足は、宇宙論にとって重要な問題である。いや、実際に質量が足りな いわけではない。いわゆる「見える」物質が足りないのである。重力自体はある。 その観測されている重力と見えている物質の量が一致しないから問題になっている わけだ。このことは宇宙論の最大の謎の一つとされている。あるいは、その重力源 は既知の“物質”ではないのか。 見える物質というのは、光学望遠鏡などで捉えられる光を発する恒星などの他に、 電磁波を発する物質などのことである(光も広義には電磁波)。見えない、という ことは、電磁波を発していない、若しくは発している電磁波が弱すぎて観測にかか らないということ。このような物質は「ダークマター(暗黒物質)」と呼ばれてい るが、この正体はまだはっきりしていない。最近、質量がないと思われていたニュ ートリノにも質量があることがわかり、ダークマターの有力な候補となっている。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 宇宙は何色? 《2002/01/12》 米ジョンズ・ホプキンズ大の研究グループは、地球から20〜30億光年の範囲で約20 万個の銀河を観測。その光の可視光領域の波長と強さを調べて平均したところ、そ の色は「青緑色」である、という結論が出た。 話題の色はこちら http://www.pha.jhu.edu/~kgb/cosspec/ 【 自然の色は? 】 研究者らの発表によると、その色は「薄いターコイズ」色とのこと。和風にいえば 薄い抹茶色といったところか。宇宙にこのような色の天体はないが、年老いた赤色 の星と若い青色の星の色が混じると緑色に近い色になるのだという。宇宙の色は、 最初は青に近い色で今現在は緑色、そして今後、宇宙は赤色になる方向へ向かうと 研究者は話す。 自然の色は何色?地球人なら大抵「緑」と答えるのではないか。宇宙の色がその緑 に近い色だったというのも何かの巡り合わせか。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 日本も有人宇宙飛行へ 《2002/01/09》 文部科学省は、有人宇宙飛行が可能な国産宇宙船の研究を進めることを明らかにし た。文科省宇宙開発委員会により今年3月までに報告書がまとめられる予定。 日本人宇宙飛行士は、いずれも海外宇宙船の乗組員であった。このまま海外の技術 力に依存していたのでは日本は科学技術立国として立ち遅れていくことは必至であ る。文科省は「国家戦略的にも宇宙開発は必要」とし、宇宙開発の位置付けをより 重いものにしていく方向だ。 【 日本のスペースシャトル 】 実は、日本にもスペースシャトルをつくるという計画がある。NASDA(宇宙開発事業 団)で進められている宇宙往還技術試験機(H-II Orbiting Plane-Experimental) 略称 HOPE-X の計画だ。ただ、この計画は現在予算などの問題から凍結状態にある。 HOPE-X http://www.nasda.go.jp/trans/hopex/ 有人宇宙飛行を実現するには様々なリスクと問題がある。一番大きな問題はコスト だ。宇宙開発は、その実用が遠く未来の話となる場合が多く、そのような計画に大 量の税金を投資すること自体がナンセンスとする見方も多くある。 日本が国産の有人宇宙飛行を実現する意義については次のサイトが参考になる。こ れは、先端ミッション研究センター野田篤司さんの所見。 日本独自の有人宇宙船構想 http://giken.tksc.nasda.go.jp/Group/sentan/mission/2/index.html ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ PICK UP ━……‥‥ ピックアップ ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ ◆ H-IIA ロケット打ち上げ中継 H-IIA2号機の打ち上げが2月3日と決まりました。この様子がインターネットを通し て中継される予定です。 この2号機もまだ実用衛星などは搭載されない試験打ち上 げですが、この試験は日本の宇宙開発の今後にとって大きな意味のあるものです。 H-IIAロケット打上げ中継のお知らせ http://www.nasda.go.jp/h2a/liftoff/chukeif2.html H-IIAロケットポータル http://h2a.nasda.go.jp/ ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ INFORMATION ━……‥‥ お知らせ ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ ◆ あなたもSETIやってみませんか? 地球外文明探査を自宅のパソコンで行おう、という世界規模のプロジェクトSETI@ homeに、当ムーンライトエクスプレスでもチームを作って参加しています。SETI@ homeは学術的にも意味のあるプロジェクトです。ぜひとも登録してみてください。 よろしければ当チームにも参加してみてください。  SETI@homeの参加方法についてはこちらから  http://www.mlexp.com/mm/seti.htm SETI@homeお問い合わせ先 seti@mlexp.com (mojio) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ メーリングリスト参加者募集中! 当サイトでは、メーリングリスト(ML)を開設しています。MLとは電子メール を使用してインターネット上に擬似的な電子会議室を実現するものです。宇宙のこ とや科学、哲学全般について気軽に語り合ってみませんか? 参加方法など、詳細はこちら  http://www.mlexp.com/ml/index.htm ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 投稿作品募集 ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルに掲載する小説、エッセイなどの 作品を募集しています。テーマは、宇宙、科学、哲学などに付随する内容。密かに 暖めているネタ、書き溜めて眠っている小説などありませんか?そのような作品を、 是非ここで発表しましょう。3000人を超える読者にあなたの作品をお届けすること ができます! 投稿先アドレスはこちら sf-post@mlexp.com 詳細はこちら  http://www.mlexp.com/theater/efilepost.htm ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ COLUMN ━……‥‥ コラム ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥ NASA(米航空宇宙局)の新長官にショーン・オキーフ氏が就任した。実はこの人、 宇宙開発に関して全く経験がない。では、何故彼がNASAの長官になることになった のか。オキーフ氏は、人呼んで「予算削減人」といわれている。つまり、アメリカ は、宇宙開発そのものよりも、その予算を何とかできる者が今のNASAに必要だと認 識しているわけだ。 宇宙開発への投資は賛否両論ある。確かに、財政は厳しいだろう。そんなときに、 国民の生活をそっちのけで宇宙への夢に投資するのはいかがなものか。おっしゃる 通りだが、しかし、今抱えている負の部分を清算することばかりでは進歩がない。 そもそも、宇宙開発というのは果たして「夢」だろうか。これは、今や十分実用的 であり、宇宙への進出は将来の人類にとって必須事項だろう。居住範囲を広げると いう意味でも重要だが、現在の科学技術研究を見ても、明らかに地球上での実験環 境は限界にきている。科学の行き詰まりも、宇宙に出ることでいくらか打開できる だろうと思うのだが。 宇宙開発は、決して暇人の夢ではない。もう少し余裕が出てきたときにやればよろ しい、などといっているうちは、宇宙開発は所詮片手間仕事なのだ。これが国家的 にも社会的にも、そろそろメインストリームに出てきて良い時期だと思う。費用が 無駄だというなら、多くの国で予算の大くを占めている軍事費の方が、よほど無駄 である。 ( 2002/01/28 月影 ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 編者ひとこと −流星群は日本人のブームか(も) −とりあえず新年一発目。今年もよろしく(月) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 「ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル」に関する、ご意見、ご感想、 誤りのご指摘などは随時受け付けております。皆さんの声をお聞かせください。  宛先はこちら electrofile@mlexp.com ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━……‥‥  発 行 : ムーンライトエクスプレス  編 集 : ムーンライトエクスプレス編集室 WebURL : http://www.mlexp.com/ E-Mail : electrofile@mlexp.com ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥