エントロピー †混沌の増大と宇宙の熱的死 †自然の一方向性 †物事は常に混沌が増す方向へ変化する(不可逆過程)。 が、力学は可逆過程と前提としている。 混沌とは何か †日常的にいうならば“乱雑さ”。 ものの移動する先の可能性が多いほど乱雑になる。ただひとつの可能性しかないとするなら、それは整理された秩序ある状態が実現している、と考える。 物理学的にいうならば“無秩序さ”(randomness, disorder)。 混沌の程度を表すものは、異なった可能性の数である。 エントロピー †S = k logW (ランダムネスの尺度) k : ボルツマン定数 W : 可能な状態の数(無秩序さの程度を表す量) ボルツマンの原理 自然は最も多数の可能性を持つ状態へと向かって変化する。 ex)
(上から下へ) 閉じた系(closed system)と開いた系(open system) †もし、常に混沌が増大する(エントロピーが増大する)とするなら、なぜ秩序ある構造(特に生命)などが実現するのか(その余地があるのか)。 解) 生物は、負のエントロピー(シュレディンガーのネゲエントロピー)を消費して(食べて)(正の)エントロピーの増加を抑え、秩序を形成し、それを維持している、と考える。 生命体を含む全宇宙は閉じた系であり、全体のエントロピーは増大しているが、宇宙の一部(開いた系)のエントロピーは減少可能である。 (閉じた系全体エントロピー) = (エントロピーの減少量) + (エントロピーの増加量) (エントロピーの増加量) > (エントロピーの減少量) (閉じた)系全体としてエントロピーが増大していれば、その内部(一部)でエントロピーが減少することは許される。 |