━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ MOON LIGHT EXPRESS Electrofile ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル . * ・* [FILE: 000001] 1999,09,16 創刊号 ★━━━━……‥‥ http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/ " *  . * tukikage@mqj.biglobe.ne.jp + . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ このメールは購読登録された方に毎月一度送付させていただいてます。 ※ このメールは固定ピッチフォントで最適にご覧いただけます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 当サイトからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メーリングリスト登録者募集中! 当サイトでは、メーリングリスト(ML)を開設しています。MLとは、電子メールを 使用してインターネット上に擬似的な電子会議室を実現するものです。また、この MLは、当サイトWeb掲示板と連動しています。Web掲示板へ投稿された記事も、MLへ 同時に配信されますので、MLへ登録しておけば、Web掲示板のログもメーラで管理 でき、一挙両得です!参加登録は、次のアドレスで随時受け付け中!! ML参加・お問い合わせ mlexp-adm@y7.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 尚、このMLの詳しい内容はメールにて取り出せます。本文一行目に、 # guide と だけ書いたメールを、次のアドレスまで送付してください。 ※ サブジェクトは無視されますので何でも構いません。 MLコマンド受付 mlexp-ctl@y7.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ▼ ML参加者の方へ ★MLへ投稿される際、次の点にご留意ください。 1. 半角(1byte)カナは文字化けの原因となるので使用しないでください。 2. HTML(XML)形式での送信は控えてください。 3. 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このスペースでは、毎月皆さんがお勧めする図書を紹介していきたいと思います。 皆さんが読んだ中で、これは良い!と思ったもの、また、まだ読んでないけど気に なる本などをご紹介ください。当サイトのテーマに則していれば、解説書のような 読み物でもSF小説でもジャンルは問いません。また、新刊でなくとも構いません。 情報募集アドレスはこちら tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 投稿ノベルズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 消えた経験      【 作:月影 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 岡山で新幹線を降りると、津山線に乗り継ぎ故郷を目指す。今年で大学を卒業、就 職も程なく決まり、一度、両親に顔を見せようと思い立っての帰郷である。 私は、故郷へ帰る度に、必ず思い出すことがある。それが夢なのか現実なのか、い まだに曖昧なのだが、とにかく、少し妙な経験だ。それが、私の記憶の片隅に引っ かかっていつまでも抜けない。                  * ちょうど平野部から山間に入る辺りに、生徒数三百弱の小さな小学校があった。周 囲は背の低い山々が肩を並べているのだが、この山の中というのが、子供たちの格 好の遊び場となっていた。ところが、学校やPTAは、子供たちがその山の中へ入 らないように規則を定めていた、というのは、その山の中には、分別のない小学生 にとっていくつか危険があったためだ。分かっていたものでは、底なし沼があるら しいこと、マムシが出るらしいこと、その他、危険動物、及び毒性植物の存在が、 親たちの心配を増長させていたのだ。 ところが、子供たちはそんなもの何処吹く風で、学校が終わるや否や、よくその山 へ入って、アケビ取りや昆虫採集に明け暮れていたものである。そして、私もその 例外ではなかった。 ある晴れた土曜、学校が終わると、いつもの遊び仲間と示し合わせ、兼ねてから計 画していた「古墳探検」を決行しようと、駆けるように家路についた。 ――― 「古墳」というのは、学校から数キロ離れた山中にある「橋本古墳」と呼 ばれるもので、それがあるということだけは知っていたが、私は、実際それを見た ことはなかった。友達もそれに興味を示し、この計画に至ったのだ。 ――― 家に付くと、手早く用意をすませ、家にただ一人いる祖母に、いつもの友達のうち へ遊びに行くとだけ告げると、そのまま集合場所を目指した。 ターゲットは「八坂山」と呼ばれる、それほど険しくない学校の裏山。いつもの五 人は、獣道の入り口に自転車を停め、例の「古墳」があるといわれる方向を目指し た。今回は、いつも遊び慣れた森林の浅い場所でなく、自分たちの知らない深い場 所を目指すとあって、みんなそれなりに好奇心に満ちた顔をしている‥‥ しばらく歩くと、針金でできた柵が見えてきた。五人は、ひょっとして、という顔 になったが、その期待は直ぐに裏切られる。そこは、農業試験場の椎茸の栽培場所 だった。この辺り一帯では、森林の中の、ある程度の湿度が保たれている場所では こうした椎茸の栽培が行われているのだ。 さらに進んでいくと、道はほとんど道でなくなり、普段人などは足を踏み入れてい ないだろうと思われる場所へ迷い込む。いつのまにか木々の背も高くなり、辺りは 薄暗くなっていた。ここまで来ると、親への引け目や、自らの恐怖心などから、引 き返そうと言い出すものが現れ出す。 「ねえ、やっぱり帰ろ。」 ここで三人が脱落し、私と幼なじみの二人だけの探検となる。私も、古墳そのもの に非常な興味があったわけではないが、とにかくマンネリ化した日常から外れた何 かをしたいという欲求が強かったのだろう、ここまできたら最後までいってやろう という気になっていた。あるいは、その先にある何かに、私は惹かれていたのかも しれない‥‥                  * 山へ入ってから一時間はたっただろうか、それでも一向に「古墳」に出会う気配は ない。連れの幼なじみも半分諦めがちになってきた。 「なにもなさそうだぞ。古墳なんてやっぱり嘘じゃないか。」 古墳があるのは確かだった。地図にも古墳の記号が記されていたのを、私は確認し ていたのだ。それにしても、こんなに森林の奥へ入らなければならないことはない はずだ。 そのとき、薄暗い木々の奥に、不意に光が見えた。 「何だろう。」 しばらくその光の方へ歩くと、急に道が開けた。舗装されてはいないが、たんぼ道 ながら結構な広さがある。少し落胆する私。というのは、林を抜けて、向こう側の 村へ抜けてしまったと思ったからだ。実際、その山は、外見にもさほど大きなもの ではなく、一時間かそこら普通に歩けば、反対側に抜けられそうだということは、 子供の私にも予想できた。 ところが、その落胆はすぐにかき消えた。そこにある風景は見覚えのないもの、私 の見慣れないものだったのだ。小学三年生にもなれば、私も校区一帯は大体網羅し ており、ある程度の地形は把握している。しかし、そこにある農村の光景は、全く 初めてのものだったのだ。それが、初めてなのに、何だかとても懐かしい気持ちに なったのを、今でも覚えている。 丘の上から、茫然とその光景を見下ろしている私。いつの間にか、一緒にいたはず の友人の姿がなかった。何故かそのときの私は、そんなことを不思議にも思わず、 心配などもしなかった。ただ、目の前に広がる異界の光景だけが、私の思考回路を 独占していたのだ。 女の子の声がする。これも、初めてのはずなのに、とても懐かしい声。 「‥‥ねえ、おいでよ。」 私が呼ばれている。そんな気がした。 何をしたいでもなく、とてつもなく大きな開放感に包まれ、私はただ、声のする方 へ歩いていた。山茶花の垣根、道ばたのよもぎ、稲木の積み上げられた田圃、瓦葺 の木造民家、光景の一つ一つが、断片的にではあるが、今でもはっきりと記憶に残 っている。 「おいでよ。一緒に遊ぼ‥‥」 呼ぶ声も、序々に近くなる。角を曲がったところで、芽を吹き始めたばかりの柿の 木が目に入る。その下で、女の子が三人、何かをして遊んでいる。なわ跳びのよう な、ゴム跳びのような、そこははっきりしない。とにかく、女の子が三人、何かを して遊んでいる。 「そんなとこに立ってないで、こっちにおいで。」 誘われているのか。私はその三人のもとへ歩き出す‥‥                  * 時は流れ‥‥‥気が付くとすっかり日が沈み、私は家の玄関の前に立っていた。い つもより随分遅い帰宅。車がガレージにあるということは、父親も帰っているよう だ。叱られるのではないかと、おそるおそる家へ入ったが、親はいつも通りの態度 で私に接した。今思えば、それも不思議なのだが‥‥ 後から分かったことだが、私たちが散策した場所は、「古墳」とは全く的外れの場 所だった。本来は、ただの雑木林が延々と茂っている、はずの場所。何故、私は、 あそこであんな光景を見たのか。いや、ひょっとしたら、あれは夢だったのかもし れない。しかし、あの日、私が山へ入ったというのは事実。そして、遅い帰宅をし たというのも事実なのだ。 あの光景は、一体何だったのか。その後の記憶の空白。私は、女の子に誘われたあ と、何をしていたのか‥‥                  * 列車の中でうたた寝から覚め、ふと窓の外を見る。いつの間にか雨が降り出してい た。微睡みの中に、列車のディーゼルエンジンと、雨の打ち付ける音だけが鳴り響 く。 「そろそろ、か‥‥」 見覚えのある光景が窓の外に流れ出すと、私は網棚から荷物を下ろした。 【 短編読切 1998/05/23 未知SF通信 掲載作品より 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ 投稿作品募集!! このスペースでは、皆さんの投稿作品を掲載していきたいと考えています。皆さん が普段思う不思議を、小説やエッセイなどにまとめて披露してみませんか? 読切、連載は問いません。ここで掲載された作品は、当サイトの [未知SF通信] へ 随時掲載していきたいと思います。皆さんの投稿をお待ちしています!! 投稿先アドレスはこちら tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ▼ 作品投稿の際のお願い 作品を掲載する際、作者名を記載させていただきますが、これは本名である必要は ありません。匿名希望の場合でも、ハンドル、ニックネームなどを書き添えていた だきたいと思います。 また、作品は、テキストファイルに保存して、添付ファイルとして投稿していただ くのが望ましいです。メーラで直接編集しますと、やや文体が崩れたり、SIFT-JIS 固有文字が化けたりすることがあります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 今月のお勧めサイト ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ PEACE PLEDGE(平和誓約) URL: http://www1.neweb.ne.jp/wa/ppledge/ 核兵器を持たないまでも、プルトニウム利用で世界の中でも突出する日本。いずれ その技術で核武装するつもりではないか?海外でのこうした疑念を拭おうと、東大 大学院の鈴木達治郎各員助教授ら若手研究者が「核兵器に協力しない」という誓約 運動を行っている。その賛否を募るホームページ。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 宇宙環境利用と実験 URL: http://jem.tksc.nasda.go.jp/utliz/index.html 次世紀、人類の舞台は遂に地球外(宇宙)へと飛び出そうとしている。しかし、宇 宙空間の環境は地球上とは大きく異なり、微少重力、放射線、その他生命維持に支 障を来す様々な要因がある。これらの現状と、今後どう克服していくかを研究する 実験等に関する情報、データベースなどが見られる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ 特選サイト募集!! このスペースでは、毎月皆さんのお勧めサイトをご紹介していきます。皆さんが、 ここぞ!と思うサイトをどしどしお知らせください。その際、簡単な紹介文も添え ていただけると幸いです。 情報募集アドレスはこちら tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ コスモスコープ 9月版 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 宇宙商店街!?《1999/09/09》 8月末に、米航空宇宙局(NASA)は、宇宙にぽかっと浮かぶ宇宙ステーションの横 腹に、清涼飲料やハンバーガー、クレジットカード等の各企業の広告がビッシリの 想像図を披露した。一見すれば、宇宙にそれらの店が浮かんでいるかのよう。 現在国際プロジェクトとして推進中の宇宙ステーション計画では、既に数基のモジ ュールを接続し、ややの遅れはあるものの建設はほぼ順調に進行中である。この宇 宙ステーションの利用目的は、宇宙に於ける様々な科学実験だ。そこに、こうした 商業利用の方向性を示したことに対し、様々な方面に波紋をよんでいる。 確かに、宇宙ステーション計画の運用には莫大な費用が必要であり、これに関して は1984年の計画スタート時点から問題視されていた。各民間企業からの宣伝料で運 用を賄うという手段は、最近の流れから予測に難しくはないが、本来の研究目的と いう宇宙ステーションの在り方が崩れはしないか、という疑念は高まる。 【 宇宙ステーションの現状 】 現在宇宙に存在する宇宙ステーションは、現在建設中の国際宇宙ステーションだけ ではない。1971年のサリュート1号打ち上げに始まり、77年、82年、さらに86年の モジュール打ち上げによって完成した旧ソ連製宇宙ステーション「ミール」も地球 上空を周回している。 昨年まで「ミール」には常時二名以上の乗組員が滞在していたが、機体の老朽化や 近年のロシアの経済不振も相まって、来年二月にも大気圏突入、破棄されることが ほぼ決まっている。最後の乗組員三名も、先月28日帰還カプセルでカザフスタンへ 降り立った。これで「ミール」は、初期の試験飛行期間以来、初めて「無人の家」 となった訳だが、「ミール」破棄後に起こりうる問題として懸念されているのは、 ミール関係者のその後の処遇だといわれている。ミール研究、開発に関わった人は 約十万人。彼らは、ミールを失った後一体何処へ行くのだろうか?国際宇宙ステー ション計画への転職も考えられるが、この人数全員とはいかないだろう。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ 北海道に翼竜《1999/08/25》 北海道三笠市内で、中生代後期の白亜紀(9500年前)に生息していたと考えられて いるプテロダクティルス亜目オルニトケイルス科の翼竜の歯の化石が見つかったと 24日、三笠市立博物館が発表した。この科の化石はイギリスとモロッコでしか発見 されておらず、アジア地方では初めてだ。 この化石は、1996年〜97年に化石愛好家によって、同市内の蝦夷層群三笠層(白亜 紀後期の地層)で発見された。一つは長さ2.4センチ、幅最大0.98センチ。もう一 つは長さ1.25センチ、幅最大0.5センチ。三笠市立博物館から鑑定を依頼された独 フンボルト大学自然博物館のデビッド・アンウィン博士が、以前イギリスなどで発 見されている化石などとの比較から、同科の歯であると断定した。翼竜は、中生代 に生息していた空を飛ぶ爬虫類(恐竜とは区別される)である。この発見は、翼竜 の進化と絶滅などを研究する上で重要な資料となる。 【 翼竜 】 翼竜は、空を飛んだ爬虫類といわれている。翼竜は、いわゆる恐竜ではなく、また 鳥でもない。最近の研究で、翼竜は羽ばたき運動などはせず、その巨大な翼を広げ て滑空飛行をしていた、ということが明らかになっている。翼竜の体型は、強い風 などが吹くと、一気にバランスが崩れ飛行することができなくなる。このことから 翼竜が繁栄していた当時、その生息地一帯は強い風の吹いていない穏やかな気候だ ったのだろう、などということも予想できる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ チンパンジーに記憶力《1999/09/06》 「マジカルナンバー7」として知られる人特有の短期記憶の現象がチンパンジーに も見られることが、京都大学霊長類研究所の松沢哲郎教授らのチンパンジーの研究 で明らかになった。「マジカルナンバー7」というのは、郵便番号や電話番号など のように無秩序に並べられた数字を順序通りに再生できる記憶の範囲が7プラスマ イナス2である、ということを示したもので、この記憶は、およそ二、三十秒ほど しか持続しない。 松沢教授らは、0から9までの数字を使って、同研究所のチンパンジー「アイ」の マジカルナンバーはいくつなのかを調べた。実験は、タッチパネルに映し出された 数字を無作為に示し、それらを小さな順に回答させる(指で指させる)という簡単 なもの。最初に画面の数字を全部見せた後、最初の数字以外は全てマスクし、どこ まで正確に答えられるかを調べた。その結果、その数字が5つまでなら、7割以上 の正答率で回答できることが分かった。これは、チンパンジーは人とほぼ同等の記 憶力を持つということになる。MRI(磁気共鳴映像法)などによる脳の研究でも 人間とチンパンジーの脳の構造は非常によく似ており、その能力も非常に近いこと が今回の実験で裏付けられたと言える。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 今月のコラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近はロボットブーム。ホンダのP3が鮮やかな二足歩行で人々を驚愕させ、ソニー のAIBO(犬型ペットロボット)は、本物の犬のごとく多様な感情表現を見せたと思 ったら、次は、NECが、人の言葉を認識してお手伝いをする、というロボットを 開発していることを、先月明らかにした。何でも、2001年には発売の予定とか。 そのロボット、「R100」と仮称されているらしい。移動方法は車輪というのは従来 通りだが、そいつに声をかけると、その人の顔を判断し「おはようXXさん」など と返事をしてくれるという。この顔の識別だが、大体十人くらいまでは可能とか。 音声を認識し、画像を認識し、人に代わって家電製品などの操作もこなす。音声認 識というのは、単に音を音波として入力されるのではなく、それを言葉として認識 するということ。同様に、画像を認識するというのは、単にビデオカメラで映像を 撮っているのではなく、その映像の対象が何であるかパターン認識をするというこ と。単なるカメラやマイクではなく、人の目と耳を持っているのである。なんと、 このR100は、パソコンの操作までこなすような開発がされているとか。 さて、ロボットもここまでくると、いよいよ「鉄腕アトム」や「ドラえもん」など の実現も意識されてくる。一家に一台ドラえもん。ロボットがいつまでも人の隣人 として存在しているのであれば悪くない未来だ。しかし、こうしたロボットの進化 を、ある懸念の目で見ている科学者もいる。このままいけば、いつか、ロボットが 人間に代わってこの世界を支配するのではないか、と。いや、何ともSFチック。 しかし、数年前、IBMのコンピュータ「ディープ・ブルー」がチェスで名人を負 かしたという前例もあるだけに、その可能性が全くないことはないのだろう。 人も、おそらく今後、遺伝子操作技術などの発達によって、生物としても今よりは 優秀な種となることは予想される。ロボットは、今は人の隣人だが、もしかすると 将来、ロボットと人間は、知的存在としての立場を争うライバル同士になるかもし れない。さてさて、ロボット三原則はいつまで守られるのだろうか‥‥。 (1999/09/15 管理人 月影) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルは、「まぐまぐ」を利用して配信 されています。メール配信先の変更、また配信の中止は、「まぐまぐ」のサイト、 及び、ムーンライトエクスプレスWebサイトにてできます。 http://www.mag2.com/ http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/info/mm.htm ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルに対する、ご意見、ご感想などは 随時受け付けております。たくさんのご意見をお待ちしています。 ご意見,ご質問受付 tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 発行/編集: ムーンライトエクスプレス Web URL: http://www2f.biglobe.ne.jp/~tukikage/ E-Mail : tukikage@mqj.biglobe.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━