━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  MOON LIGHT EXPRESS Electrofile  ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイル . * ・*  [FILE: 000009] 2000,03,19 ★━━━━……‥‥  http://www.mlexp.com/ " *  . *  electrofile@mlexp.com + . ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ このメールは購読登録された方に毎月一度送付させていただいてます。 ※ このメールは固定ピッチフォントで最適にご覧いただけます。 ■ INDEX ▼ イベント情報  ・2000年 国際航空宇宙展開催 ▼ 掘り出し図書特選  ・万物理論  ・生存する脳  ・自己組織化とは何か ▼ 投稿ノベルズ  ・夢の彼方に(4) ▼ コスモスコープ  ・「H2」失敗の原因は?  ・クローン人間作ったら懲役!?  ・2200の遺伝情報公開 ▼ ムーンライトエクスプレスからのお知らせ  ・あなたもSETIやってみませんか?  ・メーリングリスト登録者募集中!  ・MLEXP. エレクトロファイル 登録解除/アドレス変更について  ・ご意見、ご感想受付 ▼ 今月のコラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  イベント情報 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 2000年 国際航空宇宙展(東京エアロスペース2000)開催 国際航空宇宙展、東京エアロスペース2000が、東京ビッグサイトにて開催され ます。これは、航空宇宙に関する国内唯一の国際色豊かな総合展示会で、航空機や 宇宙ロケット、人工衛星や探査機等の製品展示が中心。また、衛星利用、宇宙環境 利用分野などについて出展される予定です。同時に航空宇宙学会も開催されます。  場所 :東京ビッグサイト 西1,2,4ホール  開催日:3月22日(水) 〜 3月26日(日) 10:00 〜 17:00      ※一般公開は 3月25日 〜 3月26日(前3日は招待日)      ※22日は 10:30 〜 17:00, 26日は 10:00 〜 16:30  入場券:前売券(大人) :1,200円 / 当日券:1,500円      前売券(中高生): 800円 / 当日券:1,000円 ▼ 前売り券については、下記チケット売場で発売中です。  チケットぴあ  :03-5237-9999  ファミリーマート:Pコード > 676−073  CNプレイガイド:03-5802-9999  am/pm  ローソンチケット:03-5537-9999 (Lコード > 34142)  JR東日本 みどりの窓口、びゅうプラザ  近畿日本ツーリスト首都圏主要営業所 この展示会については、東京ビッグサイトのホームページや、日本航空宇宙工業会 のサイトで紹介されています。  東京ビッグサイト  : http://www.bigsight.or.jp/  日本航空宇宙工業会 : http://www.sjac.or.jp/tokyoaerospace/index_j.html ※このイベントに関するお問い合わせは当サイトでは受け付けていません。  ご不明な点がある場合は、下記へお問い合わせください。  (社) 日本航空宇宙工業会  TEL : 03-3585-1641/FAX : 03-3585-0541 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  掘り出し図書特選 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 万物理論 著者:J・D・バロー(林一/訳) 出版:みすず書房 価格:4,500円+税 ISBN:--- この宇宙の全てを説明する理論とは、一体どのような理論なのか?物理学や宇宙論 はそれを目指してこれまで歩んできた。電磁気から重力、そして量子の世界へと舞 台を移しながら、あらゆる観点から世の中を説明する理論を捻出してきたわけだ。 しかし、それでも決して宇宙を全て説明するには至っていない。この本では、宇宙 というものを、今の人知においてどのように説明されているのか、ということにつ いて触れられており、現時点の宇宙論を把握する絶好の啓蒙書といえる。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 生存する脳 著者:アントニオ・R・ダマシオ(訳/田中三彦) 出版:講談社 価格:2,800円+税 ISBN:ISBN4-06-210041-X 人間の心的活動は、間断なく状態が変化する「身体」と「脳」との「ダイナミック な相互作用」をとおしてのことであり、身体を考慮せずに、「情動」も「感情」も 合理的意志決定も、自己も意識も説明できない(まえがきより) 私たちの永遠の疑問、心はどこから生まれるのか、脳が傷つくと人格変化が起きる のはなぜか、自分はなぜ自分なのか。現代の唯脳主義を斬り、意識と自己について 様々な事例をあげながら紹介されている。世界17ヶ国でベストセラー。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◆ 自己組織化とは何か 著者:都甲潔/江崎秀/林健司 出版:講談社(ブルーバックスシリーズ) 価格:900円+税 ISBN:ISBN4-06-257277-X なぜ、自分で組み上がってしまうのか?壊れたオモチャが勝手に元通りになること はない。だが、この世界には、生物に見られるように、自分で自分を作り上げると いう現象が存在する。 「自己組織化」といわれるこの現象は、なぜ起こるのか?どう起こるのか?カオス 理論とともに、「複雑系の科学」を支える自己組織化という考え方は、何を生み出 すか?自分で自分を作り上げるマイクロマシンの可能性など、エキサイティングに 展開する現代科学の新潮流を展望する。(講談社書籍紹介より) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  投稿ノベルズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 夢の彼方に (4)      【 作:ジーン 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ここで一度整理してみよう。 自分は、玄多俊樹であることには違いない。しかし、今いるこの世界は、本来自分 のいる世界ではないらしい。本来は「上のレイヤ」というところにいるはずで、今 いるここは、そのレイヤから見て「下位の現象レイヤ」というところになる。そし て自分は、何者科によって、「上のレイヤ」からこのレイヤへ落とされた、という ことか。そして、自分は、上のレイヤでは何かの計画を遂行中であったらしい。 「一体その、人類にとって大切なある計画、というのは何なんだ?」 「上のレイヤでは、今人類は滅亡の危機に陥っているの。」 「滅亡!?なぜ?」 「人類が愚かだったのね。」 樋口は大きくため息をついた。 「ある大国が小さな国の横暴を制圧するために、ある生物兵器を使ったの。これは  国際的な同意のもとに行われたわ。でもそれが間違いだった。  その生物兵器は、強力な伝染能力を持つウィルスに、人を無気力にするような作  用を引き起こす遺伝子を組み込まれているんだけど、最初はそれを使って対象の  国の兵士の戦意を喪失させるだけが目的だったわ。」 生物兵器、何となく先の話が見えないわけでもない。 「…ところが、そのウィルスの勢いはそれだけに止まらなかった。研究者の予想を  遙かに上回る勢いで世界中に伝染して、人類の殆どは使いものにならなくなった  わ。」 「使いもの?」 「無気力にさせる、ということは、戦意を喪失させるだけじゃなく、全ての欲求を  奪う、生きる欲求さえ奪ってしまう恐ろしいウィルスだったのよ。ということは  子孫を残すなんてこと、まして無理ね。」 ああ、なるほど。 「でも、君は大丈夫だったのか?」 「私はたまたま入院してて、外気と隔離されたICUにいたから感染しないで済ん  だのよ。私の他にも、運良く感染を免れた人は、少数だけどいたのよ。それで、  その少数が集まって今の計画を実行してるってわけね。」 「入院してたのか…。」 「私より、今は玄多くん、あなたを上のレイヤへつれて行くことが先決よ。」 「俺がいないと、そんなに困るのか?」 樋口は玄多に向き直った。 「玄多くんは、あのウィルスにさらされていながら全く平気だったのよ。  どういうことか分かる?」 玄多にはまだ理解できない。 「あのウィルスにさらされた人類の多くは無気力症に陥る中で、玄多くん一人は  平気だった。つまり、玄多くんにはあのウィルスに対する耐性がある可能性が  あるのよ。」 「何だ、計画というのは俺を研究対象にするってことなのか?」 ふと樋口はうつむいた。 「それもあるわ。でも、計画そのものというのは、今の玄多くんには多分理解で  きないものだと思う。」 計画というのはそもそも何なのか、まだそれを聞かされていない。 「私たちの計画というのは、神を探す、ということよ。」 「神!!?」 「馬鹿馬鹿しいって思うでしょ。  でもね、今まで人類存亡の危機といわれたこともたくさんあって、それを対症  療法でその問題だけ解決する方向でやり過ごしてきた結果、結局その前より悪  い状況を導いて再び危機に直面するのよ。  私たちの歴史は、それを何度も繰り返しているわ。」 それは理解できる気がする。 「結局、根本的な何かを解決しないと、問題そのものは残り続けるってことよ。  そして、その問題は歴史を重ねるごとに、だんだん人の手に負えないものにな  りつつあることにも気づいた。」 「その根本的な何か、というのが、神?」 「そうよ。  その存在を見つけて、その真意を知る、というのが、今回の計画の目的。  そして今回、玄多くんは、その神が人類に与えただろう試練の中で、一人だけ  例外的に無事だった。つまり、神は必ずしも人類全部を滅ぼそうとしているわ  けじゃないっていう希望なのよ、玄多くんの存在は。」 どうも宗教じみてきた。人類が追いつめられればそういう心境になるものか。 いずれにしろ、この樋口という女性、冗談でこんな話するわけはないだろうし、 今自分の中にあるもやもやしたひっかかりも、樋口の話にのっていけば取れるよ うに直感した。 「大体分かった。それで、俺はどうすればいいんだ?」 「多分、玄多くんをここへ落とした張本人も、私みたいにこのレイヤの人間にな  りすまして存在しているはずよ。そして、玄多くんを、つまり私たちをどこか  で監視してるはずだわ。」 一体それは何者なんだ?同じ人類なのか?人類が滅びるという危機に、人類の中 で仲間割れして、人類を滅亡に導こうとしている人間がいるということか? 「犯人を見つけるのは多分不可能だから、一刻も早くここを抜け出すことね。」 時間はもう丑三つ時も過ぎた真夜中だ。 「とにかく駅まで行きましょう。」 「駅?こんな時間電車なんか動いてないぞ。」 「電車に乗るんじゃなくて、あそこに上のレイヤへ繋がるパイプが作ってあるの  よ。下位レイヤにいる私たちは積極的に上のレイヤへ行くことはできないわ。  だから、上のレイヤとの通信手段を確保しておいて、上から引き上げてもらう  んだけど、その通信手段というのが、そのパイプね。」 ますます話があやしい。とにかく、実際いってみるのが早そうだ。               *         * 辺りをうかがいながら、いつもの路地を曲がる。いつもといっても、こんな夜中 に出歩くことは普段はないのだが。それにしても静かだ。真夜中といえど、多少 の人の気配はしてよさそうなものなのだが、全くその気配がない。 「何か、時間が止まってるみたいだね。」 樋口の顔が険しくなった。 「止まってるわ。」 「え?」 「止められてるのね。私じゃないから、多分、あなたをここへ落とした犯人の仕  業ね。やっぱり私たちは監視されてる。気を付けて。」 「気を付けるって、何を……?」 そのとき、頭上で何かが光った! 見上げると、もやもやと形のはっきりしない黄色い光が浮遊している。 いつの間に!? 「本性を現してきたわね。誰か知らないけど、こうなったら………」 「何か抵抗するのか!?」 「逃げるのよっ、全力疾走よっ!」 言葉が先か、樋口に強引に腕を引っ張られ、玄多は前のめりになりながら駅へ走 り出した。 黄色い光はピッタリ玄多たちの頭上にくっついて来る。 「何なんだ、あれは?」 「多分、リプレッサーよ。」 「り、リプレッサー!?」 そのとき、その黄色い光が玄多めがけて急降下してきた! 【 シリーズ 1999/12/24 より連載 】 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ※ 投稿方法、その他投稿作品に関するお問い合わせは次のアドレスまで。 投稿作品お問い合わせ先 electrofile@mlexp.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  コスモスコープ 2000年3月版 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ 「H2」失敗の原因は?《2000/03/16》 昨年、宇宙開発事業団(NASDA)は、H2ロケット8号機打ち上げに失敗し、これま でその原因究明が行われてきた。主エンジン停止のきっかけとなったのは、液体水 素ターボポンプが停止した為とされていたが、その原因は、このターボポンプの上 流にある液体水素配管内の整流板が脱落し、ポンプのインデューサ(羽根)に当た って損傷させた可能性が高いことが、宇宙開発委員会技術評価部会専門家会議の調 査で明らかになった。ポンプの羽根が損傷、変形したまま毎分四万回以上という高 速で回転し続けたことで金属疲労などにより破壊に至ったと考えられている。 これまでの調査でも、ターボポンプ内のインデューサが金属疲労を起こして破壊さ れたことは分かっていたが、それが何故起こったのか、ということについては明ら かになっていなかった。この専門家会議で原因究明を委託されている上條謙二郎教 授(東北大流体科学研究所)のモデル解析で、高速回転の過程で羽根の周囲に発生 する気泡が、配管の内壁を伝わって逆流し整流板に衝撃を与えて破壊、脱落に繋が ることが分かったという。 【 今後は大丈夫? 】 H2の開発は、8号機の失敗をもって終了となった。今後はその後継機であるH2 Aの開発に集中することになるが、H2AでもH2と同様のエンジン構造を継承し ており、今回の失敗の原因究明は重要なものであった。問題が明らかになった整流 板は長さ約30センチ、幅約20センチ、厚さ1.5ミリの耐熱性、耐食性に優れたニッ ケル合金製で、液体水素の流れをスムーズにするためにターボポンプの手前の配管 の屈曲した部分に取り付けられている。この溶接作業は通常一回で済むが、8号機 の場合は検査で不良が見つかった為四回に渡っていた。これの脱落との関連性が指 摘されており、今後は問題発生時の修復の過程も見直す必要があると思われる。 また、整流板を脱落させた直接の原因となった、ターボポンプ内で発生する気泡に ついても要調査である。この気泡が消滅するときに、配管内の圧力が不均等になり 振動が発生することがある。この振動が共振作用によって増幅し、整流板を破断に 至らせる可能性はゼロではない。事実、今回の失敗の原因もこのためであるという 見方が強い。しかし、この気泡を抑えることはほぼ不可能であり、その逆流の影響 がエンジン運転に何処まで影響するかという予想は、設計段階では非常に困難であ る。今後の開発において、この気泡の影響についても詳しく研究していく必要はあ りそうである。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ クローン人間作ったら懲役!?《2000/03/07》 科学技術庁は人間の細胞の核を移植して、その人と同じ遺伝子を持つ「クローン人 間」を作ることを禁止する「ヒトに関するクローン技術等の規則に関する法案」の 骨格をまとめ、6日、自民党科学技術部会へ報告した。これに違反した者には、懲 役、または罰金などの刑事罰を科すとしている。政府は、この刑期などを定め今月 中に国会へ上程することを目指している。この法案が通れば、日本で刑事罰を設け 科学技術研究を禁止する法律としては初めてとなる。 具体的に禁止される行為としては、ヒトや動物の卵子から核を除いて、そこに体細 胞を移植してできた「クローン胚」を、ヒトや動物の子宮へ戻す、或いは移植する こと、となる。また、こうした体細胞核移植によるクローン胚の他、ヒトと動物の 細胞を混ぜ合わせる「キメラ胚(ヒト性集合胚)」や、ヒトの精子と他の動物の卵 子を受精させるの交雑交配行為(「ヒト動物交雑胚」または「ヒト融合胚(ハイブ リッド胚)」)を子宮へ入れることも禁止としている。いずれも、違反すれば刑事 罰を科せられる。一方、初期の受精卵を分割して同じ遺伝子の個体を作るなど、体 細胞核移植以外の方法で作られる「類似胚」と、体細胞クローン胚などを合わせた 「特定胚」の研究については、国が作る指針に従って規制する、としている。 【 どこまで許される? 】 クローン技術については、学術研究面でも医療面でも応用範囲は広く、その利用価 値は高い。例えば、移植用の臓器作りにクローン技術を応用すれば、いつ現れるか わからない型の合うドナーを待つことなく、その患者に適合した臓器を培養し逐次 提供することができる。これにより慢性的な移植用臓器の不足は解決し、脳死患者 などからの臓器移植などの問題も同時にほとんど解決できる。反面、クローン技術 を応用すれば、人の命を人の手によって生み出すことにつながり、倫理や人の尊厳 を保護する意味で大きな問題となる。 では、人はどこまでクローン技術を使用してよいのか?現在問題視されているのは この技術によって「人」が操作されるという点である。つまり、操作される対象が 人でなければ問題なし、ということになる。14日、英スコットランドのバイオテク ノロジー企業PPLセラピューティクス社は、世界で初めて動物生体の体細胞由来の クローン豚の生産に成功した、と発表した。豚の臓器は人間のものと大きさがほぼ 同じであるため、この豚に人間(患者)の体細胞の核を組み込むことで移植用臓器 を生産することも可能だという。これは、人の体ではなく、豚の体を使って人の臓 器を培養、生産しよう、というクローン技術応用の好例だろう。 しかし、こうしたファームビジネスが成立していく過程でも、倫理的問題がないわ けではない。また、クローン人間を作る可能性があることそのものを指摘して禁止 すべきだ、という声もある。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ★ 2200の遺伝情報公開《2000/02/13》 人の遺伝子の特許獲得をかけて研究が加熱する中、通産省の委託で遺伝子研究に取 り組んでいる産学協同の研究組合が、特許申請して間もない遺伝子など2200個を一 挙に公開するという決定を出した。遺伝子としては新規に発見されたものだが、有 用な機能が当分分かりそうにない場合、特許が認められないまま非公開にしておく と、欧米企業などが同じ遺伝子を発見して特許を押さえてしまう可能性があるため にこうした異例の決定となった。 公開を決めたのは、製薬企業などがバイオ研究の産業応用などを目指して1981年に 設立した「バイオテクノロジー開発技術研究組合」で、昨年には、東大医科学研究 所や通産省の「ヘリックス研究所」など三研究機関の他、製薬会社など12社を組織 し、人の遺伝子を採取して医薬品開発などに結びつける応用研究にも乗り出した。 実際の遺伝子採取は「オリゴキャップ法」という手法を使用して行われる。これは 遺伝子の情報を直接シークエンサーなどで読みとる方法とは違って、細胞の中で実 際に働いている状態の遺伝子をひとまとめに取り出せるのが特徴。最終的には三万 個を採取して特許取得を目指す。 【 プライバシーは大丈夫? 】 遺伝子の解析競争が加速する一方で、個人のプライバシーの保護については大丈夫 なのか、という声も高まりつつある。研究の意図としては、人の遺伝子を全て解析 し、どの遺伝子がどういった機能、役割を果たしているか、ということを知れば、 医療において、遺伝子レベルでの治療が行えるようになり、これまでほとんど経験 と確率で行われてきた手法が大きく改善される、つまり、これまで手探りの治療で あったものが設計図を見ながら正確に治療できる、という利点を見据えたものが大 きい。また、医薬品の開発についても、特定の遺伝子に作用する薬を作ることがで きれば、悪い部分だけピンポイントで治療できる(副作用が最小限に抑えられる) ような薬も期待できる。 一方で、遺伝子についてそこまで解明される、ということは、その個人が将来引き 起こすであろう重大な病気や、慢性病のなりやすさ、体質などについても予測が可 能となる。こうした情報は、例えば、保険加入の目安にされたり、職場での立場に 影響したりすることも予想される。実際、米国ジョージタウン大の調査によると、 遺伝子異常による病気にかかるリスクが高いとされている人のうち、22%が、本人 または家族の発病の可能性を理由に保険加入を拒否されたという。 遺伝情報は、髪の毛一本から、また口の中の粘膜から簡単に採取することができる 為、誰でも容易に、本人に知れることなく遺伝子調査が行えてしまう。こうした問 題は、当の研究者たちの間からも叫ばれ始めていて、現状は、研究解析の速度に、 プライバシー保護などの倫理的対策が追いついていない状態である。しかし、遺伝 子を解明することによる恩恵は大きく、これを全面的に禁止することは今やナンセ ンスといえる。これを、法や政策によってどこまでコントロールできるかは未知数 であり、今後こうした議論が国際的レベルで行われて行く必要がある。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  ムーンライトエクスプレスからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ あなたもSETIやってみませんか? SETI(Search for Extraterrestrial Intelligence)とは地球外知的生命体探査のこ とです。アレシボ電波望遠鏡で捉えた宇宙からやってくる電波の中から地球外文明 の発したデータを見つけ出そう、というものです。 このデータ解析をあなたのパソコンでもやってみよう、というのがSETI@home(セチ ・アット・ホーム)です。SETI@homeが始まってそろそろ1年が経とうとしています が、全世界でおよそ200万の人がこのプロジェクトに参加しています。 参加方法はいたって簡単。サイトからスクリーンセーバー(クライアントソフト) をダウンロードしてコンピュータの空いている時間にこのスクリーンセーバーを動 かせばデータ解析が自動的に行われます。 あとは、データ解析が終わったときにちょっとだけ(3〜6分くらい)インターネ ットに接続します。解析結果をサイトに送った後、次の解析データをダウンロード します。 みごと、あなたの解析データに地球外文明の発したデータが含まれていたなら、あ なたはSETIの共同発見者として名を連ねることができるでしょう(希望者のみ)。 SETI@home は個人で参加することができますが、チーム(グループ)で参加するこ ともできます。そこで当ムーンライトエクスプレスでもチームを作ってみました。 SETI@homeを始めたら、次はぜひ当チームに参加してみてください。 全世界ランキングに名を連ねるには強者どもが多すぎてなかなか難しいのですが、 チーム内ランキングならばまだまだ余裕があります(^^)。 英語サイト  :http://setiathome.ssl.berkeley.edu/ 日本語サイト :http://setiathome.ssl.berkeley.edu/home_japanese.html チームのページ(「Join」でメンバー登録): http://setiathome.ssl.berkeley.edu/stats/team/team_36794.html ★ワンポイント メンバー登録するときパスワードが必要になります。「If you don't know your password, click here.」と書かれたところをクリックしてください。登録メール アドレスを入力するとパスワードがメールで送られてきます。                                    ☆ +                          チーム管理人:もじお …                           mojio_@anet.ne.jp + ☆ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ メーリングリスト登録者募集中! 当サイトでは、メーリングリスト(ML)を開設しています。MLとは電子メール を使用してインターネット上に擬似的な電子会議室を実現するものです。宇宙のこ とや科学、哲学全般について気軽に語り合ってみませんか?参加登録は、次のアド レスで随時受け付け中です。 ML参加・お問い合わせ mlexp-adm@y7.com 尚、このMLの詳しい内容はメールにて取り出せます。本文一行目に、 # guide とだけ書いたメールを、次のアドレスまで送付してください。このコマンドを送る 際 "#" と "guide" の間には半角スペースが必要です。HTMLメールは無効となりま すのでご注意ください。サブジェクトは無視されますので何でも構いません。 MLコマンド受付 mlexp-ctl@y7.com ※ 詳細は、ムーンライトエクスプレスのWebサイトでも紹介されています。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ MLEXP. エレクトロファイル 登録解除/アドレス変更について ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルは、以下のメルマガ配信サービス を利用して配信されています。アドレス変更/解除は、現在ご利用中のサービスの サイトか、当サイトの総合登録/解除サイトから行ってください。  サービス名 URL マガジンID  ----------------------------------------------------------------------  まぐまぐ http://www.mag2.com/ 0000016842  パブジーン http://www.pubzine.com/ 3690  ココデメール http://mail.cocode.ne.jp/ 0700400094  クリックインカム http://clickincome.net/ m00002508  NIFTY Macky! http://macky.nifty.ne.jp/ 2077  E-Magazine http://www.emaga.com/ ---  BIGLOBE カプライト http://kapu.cplaza.ne.jp/ ---  ----------------------------------------------------------------------  総合登録/解除サイト http://www.mlexp.com/mm/regist.htm ※NIFTY Macky! と BIGLOBE カプライト については、登録/解除の際にユーザID  とパスワードが求められます。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ■ ご意見、ご感想受付 ムーンライトエクスプレス−エレクトロファイルに対する、ご意見、ご感想などは 随時受け付けております。また、記事の内容に誤りなどありましたら、ご遠慮なく どんどんご指摘ください。皆さんのご意見をお待ちしています。 ご意見,ご質問受付 electrofile@mlexp.com ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ※ 今回は「今月のお勧めサイト」をお休みさせていただきました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━  今月のコラム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 昨年、キリスト教の保守派が多数を占めるカンザス州の州教育委員会が、公立学校 の教育指針から「進化論」を削除することを決めた。なんだか時代に逆行している ような感がある決定だが、科学的に常識と思われている「進化論」も、今や確実な ものではないことも分かっている。 日本に住んでいる私たちには理解しがたいが、欧米諸国では、むしろ信仰のない者 は心が貧しいとされている背景もあり、信仰を重んじる傾向も全く頷けないわけで はない。しかし、基本的に信仰は事実と別物である、ということを理解させること も、教育として必要なことだと思う。人が今日あるのは、聖書にある通り、神によ る天地創造によるもの、とだけ信じる子供が育っていくことは、やはり問題ではな いか、ということである。 ところで、これは何もカンザス州に限った話ではなく、私たち日本の教育にもいえ るところがある。つまり、ある事象はこうだよ、と正解を教えてはくれるが、それ 以外の考え方というのは殆ど排除されている。例の進化についても、ダーウィンの 進化仮説が正しいとして、その他の思考過程は示してくれない。まして、キリスト 教の聖書の内容など教科書に載るはずもなく、これは、クリスチャンにしてみれば 聖書の方も少しは触れてくれよ、という苦情が出てきそうである。 ある調査によれば、アメリカ人の三人に二人は、科学的な進化論と、聖書にある天 地創造論を、共に学校で教えるべき、と考えているそうだ。これによって、大人達 の考えに強制されない子供達本来の感性で、その考え方に選択の幅を与えることが できるのは確か。ただ、子供に複数の説を教えるとかえって混乱を招いて、どっち が本当なの?という疑問が殺到しかねないという声もある。これは、自然科学とは 何か?ということと、信仰とは何か?ということを、まず先だって教える必要があ るだろう。基本的に、私はこの案に賛成である。 子供を教える、という立場を語るとき、やはり教育の在り方そのものの話が根本に ある。大人は子供の考えをどこまで制御すべきか、という話になれば、基本的に、 社会的モラルや道徳に関すること以外は、大人は知識を提供するのみ、あとは子供 の感性に任せるのが一番良い、と私は思う。子供が神を信じれば、それがその子に とっての真実なのである。 (2000/03/18 管理人 月影) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MOON LIGHT EXPRESS ━━━━ 発行/編集: ムーンライトエクスプレス Web URL: http://www.mlexp.com/ E-Mail : admin@mlexp.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━