宇宙の距離を測る

夜空に輝く星までの距離は、一体どうやって知ることができるのでしょうか。

銀河や宇宙に存在する光る天体までの距離を測定する方法はいくつかあります。最も常套とされているのは、“セファイド変光星”と呼ばれる、特殊な星の明るさを利用した測定方法です。“セファイド変光星”とは、その明るさが一定の周期で変化する(点滅する)星のことです。私たちが夜空に見ている星の明るさは、実際の星の明るさではなく、地球までたどり着いた時点での“見かけの明るさ”です。光は地球まで旅をする過程で、本来の明るさより暗くなることは経験的にも分かるでしょう。この暗くなる度合いは、距離の二乗に反比例することが分かっていますので、その星の本来の明るささえ分かれば、その星までの距離を逆算することができるのです。その星本来の明るさを知るときに利用されるのが“セファイド変光星”です。

1908年、米国ハーバード天文台のリービットは、一定の周期で明るさが変化する“変光星”のうち、ある特性を持つものについて、“変光周期”と“平均の明るさ”の間にある一定の関係が成り立つことを発見しました。このタイプの変光星を“セファイド型”と呼び、変光周期が同じセファイド型の星は、その星本来の明るさも同じであることが分かったのです。この性質は距離の算定に利用できます。距離が未知の銀河の中にセファイド変光星が発見でき、その星が、既に距離が分かっているセファイド変光星と同じ変光周期を持つことが分かれば、その星本来の明るさもわかります。その本来の明るさと見かけの明るさを比較すれば、その銀河までの距離を導くことができるのです。