星の一生

星の誕生があれば、滅びもあります。太陽のように光る星(恒星)の一生とは、一体どのようなものなのでしょうか?

誕生した星は、主に“主系列星”として存在します。これは、星の進化の過程で原子核反応(核融合)を起こし、温度が上がった状態の星のことで、私たちがいつも見ている太陽や、夜空に輝く星たちは主系列星ということになります。ただ、同じ主系列星であっても、そのたどる一生は質量によって異なります。

比較的小さな星、太陽の約3倍以下の質量の星は、そのまま膨張し“赤色巨星”と呼ばれる状態になります。そして、そのまま静かに膨らみ“惑星状星雲”となります。その後は“白色矮星”、つまり、熱核反応を持続できなくなり量子力学的に完全に詰まった状態(白色矮星の内部では、炭素やヘリウムが原子の状態でぎっしり詰まっています。この程度の星では原子核の周囲の電子はお互い電気的に反発し合うので、電子同士でくっつくことはなく、原子はそのままつぶれることはありません)となった後、宇宙のチリとなるか、または、白色矮星を経ず、そのままガスやチリとして宇宙空間に拡散し、一生を終えます。

一方、太陽の3倍以上の質量を持つ星は、その質量が大きいために重力の収縮圧によって、ヘリウムの芯が静かに燃え始めます。これが太陽の8倍以下程度の星の場合、ヘリウムの燃えかすの炭素が中心にたまってくると、その重力を電子の反発力では支えきれなくなり縮み始めます。すると炭素に火がつき大爆発を起こします。これを“超新星爆発”と呼びます。

主系列星の質量が太陽の8倍以上になると、中心の炭素が鉄が出来るまで燃え続けた後、鉄の芯は重力収縮を続け、やがて、原子も原子核も崩壊して中性子の芯となり、超新星爆発を起こした後には“中性子星”が残留する形となります。さらに、主系列星の質量が、太陽の30倍以上にもなると、その重力が強すぎるために中性子の芯となった後も永久に収縮を続け、いずれはブラックホールになるだろうといわれています。超新星とは、星の生涯の最後を壮烈な爆発によって終えた星のことで、主にそれは星自身の質量による重力崩壊が原因となっています。

実は、こうした星の誕生、終焉の繰り返しによって、宇宙空間にさまざまな物質が合成されているのです。