パラドクス †paradox (パラドックス) とは、並立する逆説、つまり、単独で正しそうな解であるように見えるが、それに矛盾する別の正しそうな解が存在する(互いに矛盾する正しそうな解が存在する)(ように見える)状態のこと。実際には、いずれの解も正しくない(正解が無い)。 ジレンマとパラドクス †よく似た表現だが、次の違いがある。
嘘つきのパラドクス †“エピメデスのパラドクス”或いは“クレタ人のパラドクス”ともいう。 ギリシャの南にクレタ島という島がある。その島の住人は“全員嘘つきである”としたときに、そのクレタ人のひとりが次のように言及したとする。 クレタ人は嘘つきだ 果たして、こう言及したこのクレタ人は嘘つきであるか、また、このクレタ人は嘘をついているのだろうか、という議論。 これを、純粋な論理の問題として捉えると、正解はない。ただ、現実問題として捉える場合、「クレタ人の多くは嘘つきである」(つまり、本当のことをいうクレタ人もいる)ということに落ち着くだろう。 床屋のパラドクス †床屋がひとりしかいない村があり、その床屋は、その村で自分の髭を剃らない人の髭を剃り、自分で髭を剃る人の髭は剃らない、という。 では、その床屋自身は髭を剃るだろうか、剃らないだろうか、という議論。 これは、そのような床屋は存在することが出来ない、というのが正解(完全な矛盾であり、あり得ない)。 |